それぞれ撒く意味があります。例えばこの秋うちでも出た稲こうじ病。ブログにも書きましたが1枚の田んぼだけ でも息子と6時間、菌を取ったりするわけです。ドロオイ虫や青虫は初期の成長をひどく遅らせるので分けつ・収量に響きます。いもち病も穂に実が入らなかったり色の悪いお米ができたりします。カメムシの吸い付いた跡は斑点米となり等級が落ちます。そして雑草だらけになれば収量が半分になることもあります。
農業を安定的に営んでいく上で農薬を使うことは否定することはできません。ただ、食べ物であることを考えるとなるべく使いたくはありません。リスクはあるとしても。手間も経費も大変ですしね。
こちらの田んぼの使用農薬は基本として除草剤を1回となります。
初めの3年位は無農薬でしたが、雑草処理が追いつかず、作ってほしいと頼まれる田んぼは増える一方なので最小限の除草剤は使わせていただいています。
「基本として」と書いているのはやむを得ない場合が稀にあるからです。青虫やドロオイ虫の大量発生、稲こうじ病が強く出てしまった場合などは周りや次年度に広がっていく可能性も非常に高いため、必要なところだけ薬を使うことがあります。そういう田んぼで獲れたお米はなるべく個人のお客様へ行かないよう、業者へ出したり自家用にしたりしています。
除草剤も昔と比べて随分改良されているように思います。最近増えていますもの、ドジョウ、コオイムシ、エビ系のミジンコなどの水生生物。
「低農薬」という表現には規定はありません。
基本は除草剤1回、というのは明らかに低い農薬ですのでこちらのお米の説明に使っています。
もう少し細かい話をしますと、新潟県の特別栽培米の農薬使用の成分回数は9回以内。慣行栽培(一般的なもの)の19回の5割減、ということですね。農薬に関しては特別というほどのものではありません。
例えばこちらで2015年度米に使った除草剤は
「月光1キロ粒剤」 有効成分: カフェンストロール・・・・・・・・・・・・・3.0%
ダイムロン・・・・・・・・・・・・・・・・・・15.0%
メタゾスルフロン ・・・・・・・・・・・・・1.0%
です。成分回数としましては3回となります。
ただ、「除草剤成分回数3回」という表現はとってもわかりにくいので撒いた回数として1回とお伝えしています。